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2014年2月22日 (土)

小屋便り 2月21日 

 

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         2月8日(土)

 

チャンプ塔ノ岳登頂4500回到達 ポスターです。

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       記録的大雪 遭難寸前         pen 頼兼

   

8日(土) 同行取材の毎日新聞記者と一緒にチャンプ畠山に付いて行ったが、
激しい吹雪のため堀山の家で同行取材を断念。 チャンプ畠山一人で上って行く。
堀山の家でチャンプが下山してくるのを待つ。
チャンプが登頂成功後、下山してきて小屋前で記念撮影 (ポスター写真)

午後4時頃、チャンプと毎日新聞記者2名が下山開始。

直ぐに後を追って私も堀山の家を出たが、最初のカーブしている細い尾根で
立てないほどの激しい風に遭い、しばらく渡れず皆に遅れてしまう。

更に風が強まり、山道雪の深さは30㎝~50センチ以上なっており、ラッセル
しながら一歩ごとの脚がなかなか進まない。 激しい横殴りの風で目が開けら
れず何度も歩みを止める。どんどん時間が経過する。

駒止茶屋で暗くなり、ヘッドライト点灯。 ライトを照らしても大雪でどこが
階段か分からない状態になっており、一歩一歩ラッセル脚を雪の中に
入れながら前へ進む。何度か階段踏み外し転倒する。
  

見晴しの木道まで来たがますます風が強まり、吹きすさぶ雪が積もり、
ライトに映しだされた山道は見たこともない形になっている。
道の方向が分からず、自分が今どこにいるのか分からなくなる
( 普段は簡単な道、自分でも信じられない。大雪の恐ろしさ実感 )
雪の深さは50センチ以上、左側に15分ほどラッセルして進んで、
いつもと違うところを歩いているのに気付く。
何度か方向を変えたが、全く分からなくなり、意を決して、結局元来た
見晴の木道まで戻る。 こんどは右側にカーブする方向を選択、
少し歩いてやっと正しい道だと分かる。

Akasennimg_0919

雑事場22日撮影 雪が溶けて道が見えているが、当日は矢印看板以外は
真っ白な世界だった。 ベンチも雪で真っ白に。

雑事場まできて、左に折れて進むが、20分ほど歩いてここも50センチほどの雪で
どこが山道か分からず、尾根道踏み外すと左側に落ちるので恐くて歩けなくなる。
結局またラッセルしながら雑事場まで戻り、右の「大倉高原山の家」方向に進む。 

高原に着いたのは何と午前0時頃、日が変わっていた。 小屋前も大雪、この天候で
小屋は開いていない。小屋前ベンチに座り込む。 小屋の水も凍結で出ていない。
ペットボトルの水は凍結し飲めない。 激しい喉の渇き。
ここに来て、寒さと疲労で自分が非常に危険な状態になっていることを自覚。 
寒い! 指先が軽い凍傷になっている。 とにかく何とかしないと。
大倉でと10分ほど休んで歩き始める。

Akasennimg_0909

22日 撮影 下山への道、普段は右折していく分かりやすい道

「大倉高原山の家」小屋から 下り始めて5分 激しい吹雪で吹き溜まりに
雪が積もり普段の道が厚い雪で覆われ全く違う地形になっていた。
どこで右折していいか分からず何とまた迷ってしまう。 茫然自失!
既にラッセルしながら道を探す気力、体力がなくなっている。 
道を探すのをあきらめ、帰る方角だけを見極め、尾根をその方向へ腰から
すべり落ちていく方法を採った。

Akasennimg_0904

22日撮影 当日は雪に覆われ、右の道が全く見え
なくなっていた。 右に丸太が4本かすかに見える

見覚えのある大きな木が4本丸太で横たわっているのを発見
そこを目標に左上から、腰からすべり落ちてきてやっと丸太に到達

滑り落ちる時に、アイゼンをひっかけ、足首を傷める。

脚をひきずりながら 大倉バス停に着いたのは 午前4時。
渋沢行きのバス始発は午前7時。 3時間もある。

秦野警察署に電話、4社のタクシー会社の電話番号教えてもらい
電話したが1時間してもどこも応答なし。 
寒さと手足の指の軽い凍傷もひどくなりかけている。 
途方にくれ我慢して始発バスを待つしかないか?と考えていると、

何と午前5時30分頃、
秦野警察署から警察官が2名パトカーできていただいた
「 先ほど電話された方ですか?」 どんなに嬉しかったか分からない。
何度も 「 病院にいかなくても大丈夫ですか?」 尋ねていただきながら
自宅まで送っていただいた。 家に着いたのは午前6時30分頃。
おかげで手足の凍傷も大事に至らず済んだ。
大きな天候異変の前に、個人の小さな経験がいかに無力か思い知らされる。
警察官2名の機転の利いた親切な対応にいくら感謝しても感謝しきれない。
後日 秦野警察署署長宛てに礼状を書く。

 

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コメント

頼兼さんから直接上記内容の話を聞きました。

自然の怖さを感じました。

2/8 チャンプ本人の塔ノ岳登頂話を掲載して下さい。

宜しくお願いします。

まさにこれは遭難状態です。無事でなによりでした。

いや~、凄いブログを読ませて頂きました。自力下山出來て良かった。
神奈川新聞に同日、やはり丹沢で歩けなくなり救助要請された記事が掲載されていました。
痛めた足は大丈夫ですか?
春はもうすぐ大倉尾根を駆け上がってきますね。

手足の指の凍傷は軽くて済みほぼ回復しました。 尾根を滑り落ちた時アイゼンをひっかけ、傷めた左足首はまだ少し痛みがあります。 その時同時に左足の登山靴が変形してしまい、「登山靴専門店でないと修理できない」と靴屋さんに言われました。  「 想定外」  事故は常に想定外の時に起きるんですね。 最後の方は思考力がなくなり無我夢中、必死で動いていました。 正直今でもまだ遭難の実感がわきません。

9日(日)午後に仕事が入っていたために、一泊できず、無理をしたのが今回の遭難寸前の原因です。
山の活動と仕事 安易に考えず、今後より慎重に行動していきたいと思います


先日は、いろいろお話しいただきありがとうございます。
チャンプの登頂記 彼に負担をかけたくないので、どの程度できるか検討してみます。

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